ロボジョイちゃれんじ教室

9-1 TETRIX入門

第2回目「TETRIXアフレルベースセットについて」


◆バッテリーの残量の確認

今後、TETRIXを使っていくうえで重要なこととして、バッテリーの扱い方について紹介します。
TETRIXに使っているバッテリーはニッケル水素の12Vの充電式バッテリーです。
バッテリーの電圧と残量の関係をグラフにすると、こうなります。 12Vの充電式バッテリーは使用中がほぼ12Vになるように設計されています。バッテリーの電圧は一定ではありません。バッテリーを満充電すると電圧は14Vくらいになります。 そして、バッテリーの容量が減っていくと、電圧が下がっていき、最終的には10Vくらいにまで下がります。ここまで電圧が落ちるとバッテリーを充電しないといけません。 それよりも容量が減ってしまうと、「過放電」といって、放電のしすぎでバッテリーが壊れてしまいます。 バッテリーは使わなくても「自然放電」といって、容量が減っていくことがあります。

携帯電話やスマートフォンに搭載されているバッテリーは充電のタイミングをマイコンが自動的に考えてくれるのですが、TETRIXの場合は、それを自分で見極めないといけません。 「充電のタイミング」を知るにはバッテリーの残量を確認しないといけません。 バッテリーの残量は、EV3のインテリジェントブロックの場合、ディスプレイを見てすぐに確認できるのですが、 TETRIXの場合はそれが簡単にできません。ここが難題です。 残量を確認しないで、使ったらすぐに充電するという方法もありますが、それだと、充電の回数が増えてしまいます。バッテリーには充放電の回数に限界がありますので、無駄な充電は避けたいところです。
なお、バッテリー残量の確認の方法として、 コネクタ部分にテスターの端子(リード)を挿し込むのは、オススメしません。電圧の低いバッテリだったら問題ないのですが、こういう電圧の高いバッテリだと慎重に扱ったほうがいいです。 うっかり間違って端子が交差すると、ショートしてしまいます。もし、ショートすると、火花や熱が発生しますし、バッテリーも壊れてしまいます。

そこで、安全確実にバッテリーの残量を確認する方法を考えてみたいと思います。
ここでは、秋月電子通商の「LEDデジタルパネルメータ 3・1/2桁 分圧器内蔵 PM-129E」という電圧計を使ってみました。LEDを使ったデジタル表示の電圧計です。700円くらいで売っています。赤と黒のリード線も用意します。

電圧計の裏側です。ハンダ付けをして、リード線をつないで、モード設定も行います。レンジ(測定範囲)は20Vとしました。
バッテリーのプラス側を「IN」という端子につなぎます。 さらにそこから枝分かれさせて、「7805」という三端子レギュレータにつなぎます。10~14Vの電気が入力されますので、それで5Vを作り、電圧計の電源として使います。

電圧を測定中の様子です。 バッテリーをDCモーターまたはサーボモーター・コントロールボックスの「Battery」端子につなぎます。赤いリード線を「+」側、黒いリード線を「-」側につなぎましょう。そして、電圧計も「Battery」端子につなぎます。コントロールボックスが中継器の役目を果たします。このように回路の中に組み込んでしまえば、操作ミスは起きませんので、安全確実に電圧を確認できるわけです。
配線が終わったら、スイッチをオンにします。 すると、電圧計の7セグメント4桁のLEDに電圧が表示されました。成功です。 電圧計には「1356」と表示されていますが、 これは「13.56V」という意味です。満タンの状態が14Vですから、これだとまだ充分に容量はあるということになります。。 もし電圧が「1000」=10Vくらいになったら、充電器に接続しましょう。

次回は実際にモーター類を動かしてみたいと思います。